元うさぎ飼いの憂い事

この話はある程度広まって欲しいと思っています。

 

来年は卯年です。うさぎ年です。

12年前のうさぎ年には、沢山の人がうさぎを飼い始めました。

うさぎフィーバーです。

うさぎさんは可愛いです。

ぬいぐるみみたいにモフモフで、鳴き声が無いので大人しい。

だから、飼いやすいと勘違いしてしまう人がいます。

来年、うさぎフィーバーが再び起きる可能性があります。

元うさぎ飼いなので、仲間が増えるのは嬉しい事です。

 

ですが。

 

皆様、うさぎさんの飼い方ご存知でしょうか?

用具等々はすぐ分かると思います。

では、実際飼うために絶対気を付けるべき事は?

 

答えられない人の方が多いと思います。

答えられる人は、うさぎ飼いさん達でしょう。

 

昨今、うさぎさんを野山に棄てる事案があったり、

YouTubeTikTokにうさぎ飼い達が眉を顰めるような動画を載せて

稼いでいる方がおられたりしています。

うさぎ飼いには、そうと分かっても知らない方から見たら

「これが?」と疑問を覚える事も多々あると思います。

それ程、うさぎさんの事はあまり知られていません。

 

野山に棄てる行為は、飼われているうさぎさんにとっては死を意味します。

例えるなら、貴方が食糧ナシで南極に着の身着のまま放り出される事と同義です。

それ程うさぎさんにとっては酷い行為なのです。

分かりますか?

「野山には草木があるから生き延びられるだろう」

『南極には海も植物もある。人間だからその知恵で生きてゆけるだろう』

こう言っているのと同じです。

「南極の気候を持ってくるのは大げさだ!」と言う方もおられるでしょう。

『うさぎさんは、日本の夏の炎天下では外で生き伸びるのは難しい』のと同じですよ。

さらに自然界には猛禽類という、うさぎさんの天敵もいるのです。

 

一つ誤解の無いように言っておきますが。

この話で私が対象としているのは、外国にルーツを持つペット用の

うさぎさんの事です。種類としては、アナウサギになります。

日本に元々居るうさぎさんは、対象外です。

 

うさぎさんと一緒に暮らすにはお金が必要です。

うさぎさん自身は犬や猫より安い子が多いのですが、

その後のうさぎさんが元気に生きていく為の費用が

皆様の予想よりかなり高額になると思います。

私の経験ですが、最低でも月1万円以上は覚悟しておいてください。

また、エアコン等電気代が余計にかかる事も付け加えておきます。

 

うさぎさんを診察できるお医者様はまだまだ少ない状況です。

地域にもよりますが、病院まで車で1時間かけて通う方も

いらっしゃるそうです。

また、うさぎさんは具合が悪い事を隠す動物です。

そして、具合が悪い時間が長引くと、あっけなく命を落としてしまうのです。

それに気づけなければ、こんな悲劇もあります。

貴方が朝「うさぎさんの様子が少しおかしいかな?」と思いながら出社して

帰った時にはかなり状態が悪化している事が殆どです。

帰宅後に気付いて慌てて病院に連れて行ったとしても、間に合わない可能性が

かなり高いのです。

 

うさぎさんは、基本懐かないと考えてください。

YouTube等々で飼い主さんに懐いている動画がありますが、

うさぎさんの性格の幅はとても広いのです。

懐くうさぎさんは希少だと思ってください。

 

これらの3件の話から、うさぎさんの印象は変わりましたか?

うさぎさんを飼う事が難しいと想像できましたか?

どれか一つでも難しければ、うさぎさんを飼う事を諦めて欲しいのです。

うさぎさんと触れ合いたければ、うさぎカフェもあります。

「こんなはずじゃなかった」と言う、うさぎ飼いさんを増やしたくないのです。

うさぎさんもうさぎ飼いさんも、幸せであってほしいのです。

だから、うさぎさんを我が子のように大切にできる人にのみ、

うさぎさんをお迎えして欲しいと思っています。

 

もう少し具体的に言いますと。

 

うさぎさんをお迎えするのなら。

先ず、うさぎさんに安全でちゃんと走り回れる居場所を用意して。

その居場所が清潔である様に毎日きちんと掃除して。

うさぎさんのそのままの性格や行動を受け入れて。

室内が暑すぎないか、寒すぎないか気を付けて。

うさぎさんに合っている食べ物と新鮮なお水を用意して。

季節の変わり目の換毛期はしっかりブラシをかけて。

できなければ、専門店等でグルーミングをしてもらって。

様子をよく見て具合が悪そうなら、すぐに病院に連れて行って。

病院で頂いたお薬を指示通りに飲ませて。

必要であれば徹夜で看病して。

年を取ったら、介護して。

できるだけ、その命の終わりを遅らせる事ができるように

ちゃんとお世話をしながら一緒に居るという事です。

家族の一員ですからね。

 

何だか赤ちゃんのお世話に似ていますね。

 

これ位のお世話をうさぎ飼いさん達は毎日好きで行っているのです。

私も、うちの子が生きていた間は毎日楽しくお世話していましたよ。

貴方はできますか?

これらの事を知らずにうさぎさんをお迎えする人が減る事を、願っています。

 

本日は、ここまで!